子どもの健やかな成長に感謝し神様に祈りを捧げる日本の伝統的な風習の一つ「七五三」ですが、自分が子供の頃にお祝いをしてもらった記憶はあるものの、いざ親の立場になってみると、どうしたらいいのかわからない?
そんな悩みを持ったお父さん、お母さんも多いのではないでしょうか?
そこで、七五三についての基本的な知識や知っておいた方が良さそうな情報として、いつ何歳で七五三をやるのか?
また、七五三の由来とお参りをする場所などについて少し調べてみました。
ぜひ参考にして家族で一緒に「七五三のお参り」に出かけてみてください。
七五三はいつ何歳でやるの?
さて、そもそも七五三っていつ?何歳でやるのが一般的なのでしょうか?
いつ?
本来、将軍・徳川綱吉の子、徳松の「髪置」を祝った11月15日が、七五三の日とされていますが、伝統にならい11月15日にお参りする人もいれば、最近では家族の都合を考えて11月15日の前後一ヵ月(10月中旬~12月中旬)の期間内の都合のよい日にお参りをする人も増えています。
2021年11月15日(月)は友引です。
土日祝と大安が重なる日が1日しかなく、11月6日(土・大安)は込み合うことが予想されます。
その他、11月3日(祝・先勝)、11月14日(日・先勝)にもお参りが集中しそうです。
何歳?
七五三は、古来に行われていた3歳「髪置きの儀」、5歳「袴着(はかまぎ)の儀」、7歳「帯解(おびとき)の儀」に由来するもので、現在も3歳、5歳、7歳にお祝いをします。 ※この由来については、後述で説明します。
女の子は3歳と7歳、男の子は3歳と5歳(5歳のみ、という説もあり)の儀式をするとされており、現在の七五三のお祝いも女の子は3歳と7歳で男の子は3歳と5歳でお祝するのが一般的です。
数え年と満年齢のどちらで祝うの?
七五三のお祝いを昔は満年齢ではなく「数え年」で行うのが正式とされていました。
「数え年」とは、生まれた年を1歳とし、新年(1月1日)を迎えると1つ歳をとるという年齢の数え方です。この数え方では、12月生まれの子は翌年の1月には2歳とされます。
しかし政府の方針もあり、第二次世界大戦以降から現在にいたるまで、誕生日で加齢する「満年齢」が一般的です。
数え年で11月15日に七五三を祝う場合、満年齢では2歳、4歳、6歳になる年にお祝いすることになります。
現在では、七五三を含む主な年祝いでは数え年、満年齢のいずれで行ってもよいとされていますが、地域によっては今でも七五三は数え年で行うのが一般的なところもあります。
世代の離れた祖父母は考えが違うという場合もありますので、ご家族と相談しながら決めるといいと思います。
早生まれの場合は?
それでは、早生まれの場合はどうでしょう?
早生まれとは1月1日~4月1日の間に生まれた人のことで、学校教育では同年生まれの子よりもひとつ上の学年に入ります。
早生まれのお子さまが満年齢で七五三を行う場合は次年度の11月になるため、早生まれではない同級生と一緒にお祝いできないと言うことになります。
「数え年」「満年齢」「早生まれ」と色々考えると、ややこしく思えてしまいますが、現代の七五三では行うべき時期が明確に定められているわけではありません。
七五三のお祝いをする年齢のころは、お子さまの成長に個人差が大きくなります。
特に3歳の場合は、数え年だとまだ1,2歳で長時間の和装や神社での儀式に耐えられなかったり、トイレトレーニングの最中で心配事が多かったり、お昼寝の時間との調節が大変だったりすると思います。
最近では満年齢でお祝いすることが主流となっていますが、早生まれのお子さまの場合は同級生と一緒にお祝いすることも多く、数え年を選ばれるご家庭もあります。
そのころのお子さまの成長や状況を考え、臨機応変に時期を選ぶのが現代の七五三のやり方といえるのではないでしょうか。
七五三の由来は?
七五三の年齢ごとの由来となった儀式についてですが、
五歳男子の「袴着(はかまぎ)」
七歳女子の「帯解き」
のお祝いからきています。
当初、宮中や公家の間で行われていたものですが、江戸時代には武家や裕福な商人の間でも行われるようになりました。
やがて明治時代には三歳・五歳・七歳の三つの祝い事をまとめて「七五三」と呼ぶようになり、庶民の間にも広まりました。
これが現在の七五三の由来です。
医療の発達していない時代には「七歳までは神の子」という言葉があったほど子どもの死亡率が高く、宮中や公家では、無事に成長することを祈り祝福する、さまざまな儀式が節目ごとに行われていたようです。
【髪置(かみおき)の祝い】(男女)
昔は男女とも生まれて7日目に産毛を剃り、3歳までは坊主頭で育て、髪を伸ばしはじめるのは3歳の春からでした。
この髪を伸ばし始める際に「髪置き(かみおき)」の儀式が行われました。
この日を境に伸ばしはじめたことを祝う儀式、これが3歳のお祝いのルーツです。
【袴着(はかまぎ)の祝い】(男)
平安時代、男女とも5~7歳になると、初めて袴をつける「袴着(はかまぎ)」あるいは「着袴(ちゃっこ)」という儀式が行われました。
この儀式は室町時代に11月15日と定められ、江戸時代以降は、男子のみの風習となっていきました。
現代でも宮中では古式にのっとった「着袴の儀」が行われています。
【帯解(おびとき)・帯直(おびなおし)の祝い】(女)
それまでは紐が直接着物に縫いつけられていた子供着を着用したものから、大人と同じ正式な帯を付け始めることを祝う儀式です。
男女ともに9歳で行われていましたが、江戸末期から男子は5歳、女子は7歳となり、11月15日と定められたことからきています。
五歳男児には御袴着の儀、七歳女児には御帯解の儀として定着しました。
七五三のお参りする場所は?
どこで?
七五三の儀式では、お子さまの成長を感謝するため神社に参拝に行くのが通例でした。
一般的にはその土地を守ってくださる神様(氏神様)がいらっしゃる近所の神社へお参りに行くのがしきたりで、最近は有名な神社に行くご家族も増えてきています。
しかし、感謝の祈りを捧げる相手は神様だけでなく、仏様、ご先祖様などとさまざまです。
しきたりだけにこだわらず「自分たちが感謝と加護を祈りたいところ」に参拝することが良いとされています。
神社にしようか、それともお寺にしようかなど、参拝先を迷っているならば、自分たちはどこに感謝の気持ちを表したいのか家族で話し合ってみましょう。
もちろん近所の神社やお寺に限らず、歴史ある神社・お寺や景観の美しい神社・お寺、ご家族の思い出のある神社・お寺など、特別な思いのある場所にお参りに行くのもいいと思います。
しかし、あまり遠方の神社・お寺の場合、慣れない着物やフォーマルなワンピースを着たお子さまが疲れてしまうこともあるので注意が必要です。
お寺と神社の違いは?
神社
もともと七五三は、旧暦11月に氏神様(最も身近にある神社の神様)へお参りをし、収穫のお礼を伝えると同時に「子どもが無事に成長できたこと」に感謝を捧げる形で始まりました。
お寺
お寺でも七五三の参拝を受け付けているところが多くあります。
仏教では、仏様や先祖の霊が子どもを守ると言われるため「子どもの成長を仏様や先祖に感謝しましょう」ということでお参りしています。
神社とお寺のどちらへ参拝するかは、それぞれのご家庭の状況に合わせて選んでも間違いではありません。
子どもの成長に感謝して、祝う気持ちが何より大切なことは言うまでもありません。
子どものために選んだ場所が、正しいお参り先と言えると思います。
まとめ
七五三のお参りには、こうしなければいけないと言う決まったものはないと思います。
こだわり過ぎず、自分たちの出来る範囲で楽しみ、お子様の成長をお祝いする気持ちが何より大切なのではないでしょうか。
コメント