12月も近づいて来ると「そろそろお歳暮のことを考えないと!」と思っている方も多いのではないでしょうか?
日本には古くからお世話になった方へ年末にお歳暮を贈る日本固有の文化があります。
そこで、お歳暮を贈っていない方からお歳暮をいただくこともあります。
そんな時、贈り返すべきなのでしょうか?
お返しをするべきかどうか?またする際はどのようなことに気をつけるべきか?
色々と考えてしまいますので、事前にチェックしておきましょう。
何となく年末の慌ただしさの中で、そのままになっている方も多いのではないかと思います。
お歳暮をいただいたら
お歳暮をいただいたら、できるだけ早くお礼を伝えることが重要です。
最近では電話やメールでお礼を伝えることも増えています。
電話やメールが悪いというわけではないのですが、やはりマナーとしてお礼状を送るようにしたいところです。
とりあえず、受け取った際に電話でお礼を伝え、その後に改めて書面を送るようにするとよりスマートではないかと思います。
お歳暮はお世話になった方へ1年間の感謝を込めて贈るものなので、必ずしもお返しの品を贈る必要はないのですが、お礼の気持ちを伝えないのは良くありません。
心遣いに対しての感謝を込めたお礼状を送るようにしましょう。
お礼状には「無事に届きました」ということを贈っていただいた方に伝える意味もありますので、贈り物を受け取ってから早めに(1~3日以内)送るのがベストです。
お歳暮のお返しは?
本来、お歳暮にはお返しの品を贈る必要はありません。
只、なかには同僚や友人から贈られてくることもあり、「お礼状だけでは感謝の気持ちを伝えきれない」という方もいらっしゃいます。
そのような場合はお返しと言う形ではなく、『贈り合う』という意識で贈るようにしましょう。
感謝の気持ちであるお歳暮にお返しをするということはあまり好ましくないので、感謝の気持ちをお互いに贈り合うという意識が大事であると考えます。
そのため、添え状には「(お歳暮に対する)お礼の品」や「お返し」といった言葉を使わないようにしましょう。
基本的なマナーはこちらから贈る時と同じです。
いくつか注意すべき点もありますので、しっかり理解して感謝を込めたお返しをしましょう。
お歳暮のお返しを贈る時期って?
お返しを贈る場合であっても、基本的にはお歳暮の時期(12月20日)までに相手に届くようにしたいところですが、お返しとなると、なかなかそうも行きません。
25日を過ぎますと年末年始の対応で忙しくなりますし、不在にすることもありますので年末ギリギリに届くような贈り方は避けたいところですが年内に届くのであれば「お歳暮」として贈って構わないと思います。
年内に間に合わず、お歳暮の時期に間に合わない場合は「御年賀」や「寒中御見舞・寒中御伺」として贈っても良いと思います。
しかし、あまり時間をおいてお返しを贈ると、別の贈り物と思われてしまうことがあり、更に相手よりお礼をいただくこともありますので注意したいところです。
お歳暮のお返しの予算や相場は?
お歳暮をお返しする場合の相場は、お歳暮でいただいた品物の半額から同額程度が適当です。
いただいた品物よりも明らかに高価なものを贈ると、「今後のお歳暮はお断りします」という意味にもなり兼ねないので注意しましょう。
とくに、目上の方や上司などへのお返しは、相手を立てるという意味でも、必ずいただいた金額よりも安価なものにするのがマナーです。
いただいたことに対してのお礼でもあるので、「気持ちを上乗せした品物を贈りたい」という思いがあるかもしれませんが、相手に対して失礼にならないよう金額面でもマナーを守るようにしたいところです。
頂いたお歳暮の品物と同じ商品を贈るのはNG
基本的なことですが、お返しの品物は、頂いたものとは違うものにします。
お返し代わりであっても、感謝の気持ちを伝えるための贈り物なので相手に「喜んでいただける」品物を贈るように心がけたいところです。
お相手の家族構成や好みが分かる場合には、それぞれに合わせて商品を選ぶのが良いでしょう。
お相手が喜んで受け取れるものが好ましいですが、好みが分からない場合や迷ってしまう場合は、カタログギフトなどを贈るのも良いと思います。
なお、お返しの品を贈る場合は、あくまでも「お返し」ではなく「お歳暮」として贈るので、いただいたお歳暮に対してのお礼状は別に送るのがマナーとされています。
お歳暮のお返しを贈りそびれた場合の対応は?
お歳暮を贈るのが遅れたとしても、年内に相手に届けられるのであれば「お歳暮」として渡して問題ありません。
しかし、お歳暮をいただいてからお返しする場合は、お歳暮の時期に贈れないこともあります。
お歳暮時期に贈りそびれた場合は、のしの表記を変更してお贈りしましょう。
12月中は「お歳暮」
1月1日~7日までの松の内は「お年賀」
1月8日~2月4日までは「寒中御見舞・寒中御伺」
となります。
ただし、関西では1月1日~15日までが松の内となりますので、15日までは「お年賀」と記載しましょう。
「お年賀」は正月行事になりますので、できるだけ松の内にお届けするようにした方が良いです。
御年賀で贈る場合
年が明けてしまってから贈り物をする場合は、熨斗紙の表書きを「御年賀(お年賀)」としましょう。
ちなみに、御年賀の場合、基本的に配送ではなく直接手渡しをしたいところです。
もともと御年賀とは、「今年もよろしくお願いします」の気持ちを込めて、お正月の神様へのお供え物を手土産として持参するものであったためです。
御年賀という形式を使えるのは、関東では1月7日、それ以外の地域では1月15日までの「松の内」と呼ばれる期間中だけなので、贈る時期には十分注意しましょう。
寒中見舞いで贈る場合
寒中見舞いは、松の内が明けてから立春(2月4日前後)までの期間に贈るものです。
関東であれば1月8日~2月4日頃まで、関西であれば1月16日~2月4日頃までが期間となります。
熨斗紙の表書きを「寒中見舞い」、もしくは、目上の相手に贈る場合「寒中御伺」として、期間内に相手に届くように用意しましょう。
「お歳暮のお返しを贈り忘れたからもうダメだ!」と思わず、このように時期をずらして対処できるので、ぜひ参考にしてみてください。
お歳暮の由来や意味は?
その「お歳暮」の起源をたどると、室町時代に行われていた、お正月にご先祖様の霊をお迎えする「御霊祭(みたままつり)」という行事に由来する、という説があります。
祭りの際にお供えしていた数の子や鮭などの海の幸を、親戚や近所に配り始めるようになったのがお歳暮の起源とする説です。
また江戸時代には、お盆や年末の時期に武士や商人たちが目上の方もしくは取り引き先などに贈り物をしていたという記録が残っています。
この風習が次第に一般庶民の間にも広く浸透していき、これがお歳暮の起源との説もあります。
お歳暮のはじまりには色々な説があるようですが、現代では、お歳暮は年の終わりに「1年間お世話になりました。来年もよろしくお願いします」という感謝とあいさつの意味を込めて贈るものとして定着し、親戚や親しい友人、仕事上での大切な取り引き先などに贈られています。
まとめ
本来、お歳暮は1年間の感謝の気持ちを伝えるために贈るものです。
最近では、目上の方だけでなく、友人や同僚同士お歳暮を贈り合うことも少なくありません。
また、贈る予定ではなかった方からいただくこともあります。
どのような形にしろ、いただいたお歳暮には、心を込めたお礼を返すようにしましょう。
あなたの気持ちがお歳暮を通して相手に伝わり、今後さらに良き関係が築けることをお祈りします。
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